2 主題設定の理由
(1)教育の今日的課題から
新しい学習指導要領では,基礎・基本を確実に身に付け,それを基に,自ら学び,考え,
主体的に判断・行動し,よりよく問題を解決する能力などの「生きる力」を育成することを
基本的なねらいとしている。しかし一方では,授業時数や教育内容の削減により,生徒
の学力が低下するのではないかという懸念がみられるのも事実である。
そこで,従来の,獲得した知識重視の教育観から脱却し,自ら学び,自ら考える力を育
てることに重点を置いた教育が求められている。
(2)学校教育目標の具現化から
本校教育目標の中で,「学ぶ喜びに満ち,強い身体と,意志を持つ,若さにあふれた中学生」
の育成を目指すことがうたわれている。「学ぶ喜び」や「強い身体・意志」は「生きる力」そのも
のを表し,全教育活動を通してその育成を図ろうとしている。特に学習指導においては,生徒
一人一人に応じたきめ細やかな指導で学ぶ意欲を引き出し,能動的な学習態度をはぐくむこ
とが必要である。
そこで,自ら学ぶ力を育てることは本校教育目標の具現化に迫るものであり,加速する社会
情勢の中を生き抜く中心的な力であると考える。
(3)生徒の実態から
本校の生徒は,全体的に明るく,快活な面が多いと言える。ただ,言動に幼さが残ったり,時間
のけじめなどの面で努力を要する生徒が一部に見られる。学習の様子では,積極的に発言する生
徒が授業をリードするなど,活発な取り組みである。また,学習内容に対する興味や関心が比較的
高く,前向きに取り組む生徒も多く見られる。反面,NRTや実態調査などの結果からは,既習事項
の定着が低いことや課題意識が高まらないなどの面が見られる生徒もおり,個々の生徒にいかに
対応していくかが課題である。
そこで,生徒個々の能力等に応じた指導を工夫し,さらに的確に自己の学習を振り返る活動を
取り入れることにより,自ら課題を見つけ,解決するなどの学ぶ力を身に付けさせることが必要であ
ると考えた。
(4)指導の経緯・反省から
昨年度から本主題に基づいた研究を進めている。昨年度は,研究の体制づくりや理論面の共通
理解,生徒の実態把握などが研究の中心となり,実質的な取り組みは不十分であったと考える。
そこで,本年度は継続研究として,理論面から実践面へと移行しつつ,具体的な実践事例の蓄積
に主眼を置いた研究を進めてく。特に,具体的な指導の場面の中で実際に活用できる教材の開発
や評価の方法,評価を基にした指導の改善等に力点を置き研究を進めたいと考える。さらに,個々
の生徒に対応するための様々な指導の場を工夫し,設定することにより,学力の定着と向上を図り
たいと考える。
3 研究目標
自ら学ぶ力を育てるために,個に応じた指導と評価の在り方を実践を通して探る。
4 研究仮説
各教科において,次のような手だてを講ずれば,自ら学ぶ力を育てることができるであろう。
(1)個に応じた指導の工夫について
@ 生徒一人一人の実態と変容を的確に把握する。
A 指導目標の明確化を図り,指導計画や授業設計に生かす。
B 生徒一人一人の実態に応じ,多様な指導の場を取り入れる。
(2)個に応じた評価の工夫について
@ 目標準拠評価(絶対評価)を設定し,生徒一人一人の到達度を明確にする。
A 個人内評価を積極的に活用し,学習意欲の喚起を促す。
5 研究の内容と方法
(1)個に応じた指導について
@ 実態調査の実施と変容の把握
ア 学習に関する実態調査の実施と実態把握…診断的学力検査,観点別学力検査,諸調査
イ 実態及び変容の把握…個人カルテ(補助簿)の作成と活用
A 指導目標及び指導計画の明確化と授業設計
ア 基礎・基本の厳選と確実な定着…目標分析,学習過程の工夫,多様な学習活動(個別化・ 個性化)の展開
イ 個に応じた指導のための教材開発…習熟度や興味・関心等に応じた教材の提示
B 多様な指導の場
ア 発展的な学習・補充的な学習の指導内容の工夫(選択教科を中心)…学習相談の実施
イ 少人数指導の工夫(数学科・英語科)…習熟度別・課題別の学習
ウ 基本的学習習慣の育成…学習の振り返り活動
エ スキル学習の導入…漢字検定等の設定
(2)個に応じた評価について
@ 目標準拠評価(絶対評価)の設定
ア 評価規準(基準)の設定…評価計画表の作成
A 個人内評価の重視
ア 自己評価能力の伸長…評価によるフィードバック機能の活用
7 研究組織と活動内容
(1)研究組織
(2)各部の活動
@ 研究推進委員会…研究推進計画の企画,立案,運営,各部との連絡調整
A 全体研修会………研究推進計画の検討,各部活動報告,理論・文献研究等
の共通理解の場
B 専門部
ア 指導計画部……理論研究(研究主題のとらえ方,研究構想図の検討),情報の発信等
イ 実践研究部……授業研究会の実施,指導案(選択)の検討,基本的学習習慣の形成等
ウ 調査研究部……諸調査の実施と分析・考察,変容の把握(個人カルテ)等
C 教科部
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