カヌ−自作講座(98.6.1更新)


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あなたはこの講座の 34817 人目の受講生です.(2001年9月〜)

 昭和63年8月から平成元年6月にかけて取り組んだカナディアンカヌ−の製作過程を時系
列と費用出費の経過と合わせてでまとめて見ました。 
 調度気温の下がる12月に実施したFRP加工に失敗し、キット提供者の渋谷氏のアドバイ
スにより翌年の春まで作業を中断したため足掛け10ケ月及ぶ作業となってしまいました。
 私の試行錯誤の結果がこれからカヌ−の自作にトライしようと考えている方に少しでも
参考になれば幸いです。


このペ−ジの目次

ステップ1 カヌ−製作の意志決定(製作場所、協力者の確保)
ステップ2 カナディアンカヌ−自作キットの手配
ステップ3 使用工具及び資材購入
ステップ4 船台の組立
ステップ5 ボトム部ストリップ材張り付け
ステップ6 フットボ−ルライン加工
ステップ7 サイド、チップ部ストリップ材張り付け
ステップ8 シア−ライン加工
ステップ9 外部サンディング、パテ作業
ステップ10 外部FRP加工
ステップ11 船台取り外し及び内部サンディング 
ステップ12 内部FRP加工
ステップ13 艤装
ステップ14 木部塗装仕上
ステップ15 進水式及びお披露目
ステップ16 最終仕上げ


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ステップ1 ・カヌ−製作の意志決定(製作場所、協力者の確保) 
 昭和63年(1988年)3月、小学館発行のアウトドア総合情報誌『BE-PAL』4月号にカナディアンカヌ−の自作に関する特集が掲載される。
カヌー自作キットのパンフレット
 故郷の気仙沼にUタ−ンしてから3年目、子供の頃からの夢の一つである自分の船を持つチャンスを狙っていた矢先だったので渡りに船と、同カヌ−自作キットの購入を決意した。
 自作開始に当たり義父(妻の父)に協力を依頼した。当時義父は長年の船員生活からリタイヤしたばかりで、比較的時間的余裕があり元々大工仕事が好きで電動工具等もけっこう所有していた。
 義父が快く協力を承諾してくれ義父宅のガレ−ジを作業場として借りられることになった。
 義父は、実に心強い協力者であったが、結果から言えば最初からFRP加工の経験のある協力者がいれば必要以上に時間を掛けなくて済んだと思われる。身の廻りに該当する人が見つからない場合は、FRP加工に関する書籍に一度は目を通しておくことを勧める。
推薦書籍はこちらを参照のこと。
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ステップ2

・カナディアンカヌ−自作キットの手配  
キット紹介写真

昭和63年(1988年)8月30日カナデアンカヌ−自作キット(冒険王ツ−リング全長4.8m)を電話で注文する。

キット手配先;北海道上川郡東川町
      「カヌ−・テクニック・グッドマン」          代表 澁谷隆氏 TEL 0166-82-3475

9月5日(月)大栄運輸便にてキット届く。
        着払運賃 2,800円支払い。

9月19日(月)キット代金振り込み 118,000円。
               
本ステップでの支払い金額小計120,800円

左の3枚の写真はパンフレットと一緒に澁谷隆氏から送って頂いたカタログ用写真。

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ステップ

3

・使用工具及び資材購入  昭和63年9月15日(木)購入
 ウッドストリップ方式(型材に細い帯状に木材を何枚も張り付けて船体を形作っていく造船工法)でカナディアンカヌ−を製作する上で新たに購入した工具及び資材は次の通りである。但し、購入価格は昭和63年(1988年)当時の金額である。
1)ガンタッカ−(メ−カ−、型式;マックスTG-A)  5,500円
 ストリップ材をフォ−ム(型板)に固定するための工具。ホッチキスの大きい奴と 思えば良い。
2)スッテプル (T3-13MBマックス)単価150円×3箱=450円
  ガンタッカ−の針、肩幅12mm×高さ13mm
3)木工ボンド 500g入り単価410円×3ケ=1,230円
4)ガムテ−プ 398円 マスキング及び材料仮留め用等。
5)サンディングホルダ− 620円 
 手動で船体のヤスリ掛けするための工具
6)同上用替えペ−パ− 荒目 575円
7)P.P.シ−ト  3.6m×5.4m 2,280円 
 屋内作業時の床敷き、屋外での仮テント、FRP作業時の保温用囲い等用途は非常 に広い。
8)スクレ−パ− ステンレス製  220円 
 はみ出た接着剤を拭ったり、凹部のパテ埋め及びFRP加工する際の脱泡等に使用。
9)同上 プラスチック製  170円
               本ステップでの支払い金額小計11,443円
               ここまでの累計支払い金額小計132,243円
               資材購入に要した時間は1時間。
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ステップ

4

・船台の組立 昭和63年9月15日(木)作業着手
 ストリップ材を張り付けて船体を形造る船台の写真
ためのモ−ルドを兼ねた船台を組み立てる。
 ストロングバックの所定の位置にフォ−ムとステムを固定する。澁谷氏のキットでは合板製のストロングバックにボルトナットでステム、フォ−ムを予め印刷された記号同士を合わせるように固定するだけなので2時間30分程度で完了した。
 その後の作業は組み立てた船台を空のビ−ルケ−スの上に載せて行った。立ち作業には調度良い高さである。

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ステップ

5

・ボトム部ストリップ材張り付け 
昭和63年9月15日(木)作業着手、9月16日完了
 組み立てた船台の各ステム及びフォ−ムのストリップ材を固定するエッジ部にマスキングをする。特にバウ、スタ−ンのステムのエッジ部には多くの接着剤がはみ出してしまうので、マスキングテ−プやガムテ−プで十分処置する必要がある。因みに私の場合は船台を取り外す際に可なりの力技を要した。 まずボトムのセンタ−部に一本のストリップ材を置きガンタッカ−でステムとフォ−ムに固定する。固定したストリップ材の両サイドに接着剤(木工ボンド)を塗り次のストリップ材をすき間が開かない様に注意しながら船台に固定して行く。接着剤ははみ出すことを余り気にせずたっぷり塗って行く。同じ手順で左右交互に固定して行き予め型材にマ−キングしておいたフットボ−ルラインが完全に隠れるまで続ける。
 このステップの作業時間は約7時間、ここまでの累積作業時間は10時間30分。
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ステップ

6

・フットボ−ルライン加工 昭和63年9月23日(金)作業着手完了
 型材にマ−キングしたフットボ−ルラインポイントを張り付けたストリップ材の表面に写してから、そのポイントにストリップ材をあてがい無理無く張り込んで行けるラインを決める。決めたラインをジグソ−と胴付き鋸とで切り出す。切断面を小型のきわカンナで仕上げる。
 次に、ここまでストリップ材を型材に固定してきたステップルを抜く。これは最後に行っても良いが底の方が遠くなるので私の場合は、ある程度の材を張って接着材が乾く毎に抜いて行った。これを抜くのにもコツがあり最初はマイナスドライバ−とプライヤ−で抜いたが、途中からニッパを使用した。ニッパは抜きやすいが時々ステップルが抜ける前に切ってしまう事がある。
 切り出したフットボ−ルラインの外側に左右各1本のストリップ材を張った。バウとスタ−ンの合わせ目に苦労した。
 本ステップの作業時間は8時間

 本日の購入部材
1)キワカンナ          1,750円
2)波釘               80円
3)ジグソ−の替え刃        230円
4)サンディングディスク      220円
5)オ−ビタル用サンドペ−パ−   210円
              本ステップでの支払い金額小計2,490円
               ここまでの累計支払い金額小計134,733円
               ここまでの累計作業時間は18時間30分。 
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ステップ
7

・サイド、チップ部ストリップ材張り付け
 
昭和63年9月30日(金)作業着手、11月12日(水)完了
 型材に左右交互にストリップ材を交互に張り込んで行く。一枚のストリップ材で長さが足りなくなったら、フォ−ムの所でストリップ材を突き合わせて繋ぐ。次第に
カ−ブ部がきつくなりステップルだけではフォ−ムにうまく固定できなくなるが、細い釘や当て板、ガムテ−プ等を使って極力すき間が開かないようにする。但し、止むを得づ開いたすき間は後の工程で接着剤とサンディングダストを混ぜたパテで埋めることができるので余り神経質になる必要は無い。
 サイドを半分位張り込んだらボトムが下になるようにひっくり返すと後の作業が楽にできる。センタ−フォ−ムの最高部まで張り終わったら最終的なシア−ラインを意識しながらバウとスタ−ンのステムが隠れるまでチップ部の材を張り込んで行きます。
          本ステップの作業時間は16時間
         ここまでの累計作業時間は34時間30分。 


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ステップ
8
・シア−ライン加工
 
昭和63年11月13日作業着手、同日完了
 接着剤が完全に乾いてからストリップ材を固定していたステップルや釘を全て抜く。まずシア−ラインを自分のイメ−ジに合わせてハル(船体)側面に鉛筆でけがき、ジグソ−と胴付き鋸で切り出す。切断面がハルに対して直角になるようにキワカンナ等で仕上る。
 次にハルを再度上下逆にしてバウ、スタ−ンの組み手部の余分な材を鋸で切断してからカンナで仕上げる。
 シア−ライン及びバウ、スタ−ンの切断仕上げの前にはステップルや釘等の抜き忘れや途中で折れたものがハルに残っていないか十分にチェックすること。ものこれらが残った間まで作業するとカンナや鋸の刃がたちまちお釈迦になる。
          本ステップの作業時間は3時間
         ここまでの累計作業時間は37時間30分。

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ステップ
9
・外部サンディング、パテ作業
 
昭和63年11月18日作業着手、12月4日完了
 外部サンディング作業を開始する前にカンナで大きく出っ張った部分のみを削る。 ディスクグラインダ−に#20のディスクをセットしハル外部全体の凹凸をサンディングする。目と手でハル表面の出っ張りを確認しながら、ストリップ材の長手方向に沿って軽くなめるように左から右へ50〜60cmゆっくり移動しながら作業するのがコツ。しかし、余りゆっくり移動しすぎると、木工ボンドが溶けてディスクに絡んで却って作業性が低下する。
 全体をサンディングした後、このサンディングダストと木工ボンドを混ぜたパテを作りストリップ材張り付け作業時に生じたすき間を埋める。埋めたパテが完全に乾いてから#60又は#80のディスクをグラインダ−にセットし、再度全体を仕上げる。
 パテを作る際、ダストに含まれるディスクから脱落した研磨粒を分離してやらないとパテ埋めした部分が黒くなってしまうので注意を有する。分離は白い紙の上にダストを載せて揺すってやると比較的簡単にできる。
          本ステップの作業時間は24時間
         ここまでの累計作業時間は61時間30分。
 12月3日FRP加工に着手する前に船体を義父邸のガレ−ジから高校時代からの友人で妻の従兄の倉庫に移動した。
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ステップ
10

・外部FRP加工
 
昭和63年12月4日午後2時〜6時まで作業。夕方になり暗くなったので友人の知合いからト−チライトを借りて作業した。
1)補強用ガラス繊維の準備
 先ずガラスマット(以下マットと記す)をボトムに合わせてカットする。マットはフットボ−ルラインの外側のサイド三枚目までカバ−するようにカットする。次にマットの上からハル全体を覆うようにガラスクロス(以下クロスと記す)をかぶせる。センタ−は幅が広く一枚のクロスではカバ−しきれないので別のクロスでオ−バ−ラップ分をカットしておく。バウ、スタ−ンは船体より数センチ小さめににカットする。バウ、スタ−ン部をカバ−するためバイヤスカットテ−プを各3枚用意する。
2)ポリエステル樹脂加工
 樹脂メ−カ−の技術資料の指示に従ってポリエステル樹脂(日本触媒化学工業製ワックス入り樹脂で商品名エポラック、以下ポリと記す)に硬化剤(商品名パ−メック、以下パ−メックと記す)を添加して良く撹拌し、ハルの中央部からガラス繊維に含浸させて行く。外面FRP加工に約4500ccのポリを使用するが パ−メックを入れてからの作業時間は限られているので数回に分けて使用する。
 私の場合は一回目、ポリ2000ccに対してパ−メック30ccを添加、二回目はポリ1000ccに対してパ−メック15ccを添加した。クロスの中に気泡が残らないように十分注意して作業すること。
 ハルのシア−ラインからはみ出した余分なクロスはポリがロウ状に硬化した時点でカッターナイフで切り落とす。各オ−バ−ラップ部で段差になった所はポリが乾燥してから表面をサンディングし、再度ポリを塗る。

 12月5日朝ハル表面に触ってみるとポリは未硬化で一部ゲル状のままだった。夕方にはやや改善された(硬化した)が、日影部は相変わらずゲル状だった。地元の専門家に相談したところ、パ−メックを入れてからの撹拌が不十分、作業場所の温度が低すぎる、硬化促進用ワックスが不足である旨の指摘があった。
 同日、泥縄式ながら舵社発行の「強化プラスチック船の工法と応用」と言う本を2300円で購入した。

 12月6日午後7時から9時までポリの上塗り作業を行った。ポリ500ccに対してパ−メック約7ccを添加した。作業完了後ハル全体を観察した所、次の不具合点があることが確認された。
・一回目の塗りでポリ不足のためボトム部に白化発生、クロス目が浮いている。
・サイド部に数カ所気泡残留が見られる。
・シア−ライン付近にクロスが密着していない部分がある。

 12月11日の次の部材購入
1)アセトン 4リットル      1,400円
2)パ−メックH(硬化剤)100g  300円
3)布ヤスリ#100 5枚     375円
4)FRPロ−ラ− 3”       610円

 12月11日午後12時から15時までハル外側サンディング作業を行った。最初#80のディスクグラインダ−を使用したが削りすぎて木地がでてしまったので、その後は
#100の布ヤスリを木片に巻いて手作業を行った。一部気泡が残っている部分をサンディングしたところ、クロスが浮いてきたのので剥離した。後日再FRP加工する事にした。サンディング後船体をPPシ−トでカバ−し作業終了とした。

 FRP加工に失敗した原因、処置方法等についてキット提供者の渋谷氏に葉書で問い合わせていたが12月26日晩に電話にて回答があった。回答概略は次の通り

イ)寒冷時のFRP加工の適否について:作業場所の暖房の手段がないなら、暖かくな るまで待った方が良い。(10℃以下での作業は勧められない)
ロ)気泡発生箇所の手直しについて:サンディングして再度クロスを掛けポリを塗  る。サンディングは#20又は#50のディスクを用いて手作業ですると良い。樹脂、クロス等不足があれば無償にて追加提供する旨の申し出あり。
ハ)FRP加工部以外の木部の表面処理について:クロス無しでポリのみを塗れば良  い。

 昭和64年1月3日午前10時30分から午後4時20分まで正味約5時間作業。ハル外面の気泡発生箇所マ−キングし周辺を少し広めにサンディング、クロス重ね部もサンディングし段差を除去した。ハル右舷側のみサンディング完了、左舷側はFRP加工時日影だったため気泡が多い。
 同日リョウビ製オ−ビタルサンダを購入、5,980円。
 1月4日布ヤスリ#100 2枚 150円で購入。

 平成元年1月12日渋谷氏よりポリとクロス追加分到着、着払運賃1,200円のみ自己負担。

 平成元年1月22日午前10時から午後3時まで正味約4時間作業。ハル左舷側の気泡箇所を#50のディスクでサンディング。サンディングに先立ちカッタ−ナイフでクロスの白化して浮いているところを除去した。木工パテが被膜になっている部分が特に密着が悪く広範囲に渡ってクロスが剥がれた。

 平成元年4月23日午前8時から午後2時30分まで正味約5時間ハル外面FRP補修作業実施。
 ポリ約300CCにパ−メック(硬化剤)5CC添加し良く混合してからポリとほぼ同量のアセトンで希釈したものをサンディング部を中心にハル全体に塗布。表面がややべたつく位の段階で剥離部にクロスを仮留めしポリを塗布した。
 左舷側ポリ800CCにパ−メック9CC添加、右舷側ポリ600CCにパ−メック7CC添加。


ここまでの段階で失敗経験から学んだ事を列挙すると次の通りである
・FRP加工作業をする場合は全身が汚れることを覚悟しなければならない。ポリや アセトンに侵されないような古い雨具を用意すると良い。筆者の場合は、登山用に 買ったゴアテックスのカッパを着て作業したが船ができる頃には相当に汚れがこび りついてしまった。
・混合してから残ったポリの処理や刷毛、ロ−ラ−の洗浄前の処理に必要なので新聞 紙とウエスは十分に用意する。
・ポリを付けた刷毛やロ−ラ−は放置すると固化して使えなくなるので早め早めにア セトンで洗浄する。洗浄後アセトンは密閉容器に保存し、汚れ程度により一次洗浄 液、二次洗浄液という風に分けて使用すると経済的。
・FRP加工する前にアセトンを含ませたウエスでハル全体を拭きサンディングダスト を取り除く。
・木工ボンド及びストリップ材には吸湿性があるのでFRP加工の前には良く乾燥させ る必要がある。
・ポリと木製ハルの密着を良くするためにFRP加工の前にハル全体にウレタンシ−ラ −を塗って6〜12時間放置するのが望ましい。しかし、シ−ラ−は4kg缶で
 6000円(昭和63年当時の調査価格)もするのでアマチュアビルダ−がカヌ−一艇 を自作するために、これを購入するのは現実的ではない。次善の策としてポリにパ −メックを通常の3〜4倍添加し、約10〜15%のアセトンで希釈したものをプライ マ−(下地処理剤)として代用できる。この場合は乾くまで長時間放置する必要は 無く、気温にもよるが塗ってから30分〜1時間後表面が半乾きの状態でFRP加工に 着手してよい。
・表面のサンディングを余り細かい目のディスクで行うと木部とポリの食い付きが悪 くなる。
・FRP作業は必ず午前中の早い時間に開始し、遅くとも日没前には完了すること。又 ポリの硬化は外気温に依存するので、余り寒い日(10℃以下)は作業は避けた方 が良い。
・ポリには夏用と冬用があり、更に硬化促進用パラフィンワックス入りと無しがあ  る。カヌ−自作用にはワックス入りの方が向いているが完全に乾いた後でポリを重 ね塗りする場合は、表面をサンディングしてワックス分を除去してやる必要があ  る。
・その他、FRP加工に関する様々な知識はカヌ−関連書籍・雑誌の紹介ペ−ジ書籍 を参考にされたい。
          本ステップの作業時間は23時間
         ここまでの累計作業時間は84時間30分。
          本ステップでの支払い金額小計12,315円
         ここまでの累計支払い金額小計147,048円
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ステップ

11

・船台取り外し及び内部サンディング 
 
平成元年4月29日 午後2時30分〜6時まで正味3時間作業。
船体を正立にしてからまずフォ−ム(横型)を外す。ストロングバックにフォ−ムを固定していたボルトを外して型を船体の広い方にずらしてやると簡単に外れる。ストリップ材からはみ出した接着剤で型が外れにくい時はフォ−ムを木ハンマ−などで軽く叩いてやると外れる。中央部のフォ−ムはストロングバックを取り外してから最後に外す。
 次にバウ、スタ−ン部のステムを固定しているボルトを外してステムを船の中央方向に引っ張るようにして取り外す。私の場合はステム部内側に多量の接着剤がはみ出しマスキング部以外の所で船体とフォ−ムが固着して仲々外れなかった。しかたないのでストロングバックを外してからカッターナイフやハンマ−を用いて力尽くで外した。
 内部サンディングの前に接着剤が極端に
はみ出して盛り上がっている部分をカッタ−ナイフやスクレ−パ−、豆カンナ等で除去する。
 内側のサンディングは外側と同様にディスクグラインダ−に#20のディスクを着けて作業する。凹面を削ることになるのでディスクを少し強めに船体に押し当てディスクをしならせながら作業する。
 5月4日 午前9時〜午後1時30分まで正味4時間作業。#20のディスクグラインダ−で内側サンディング。バウ、スタ−ン部は手ノミで凸部を削ってから木片にサンドペ−パ−を巻いて手作業でサンディングした。サンディング後、購入しておいた木工パテ(商品名 ウッドパテ、単価200円)ですき間を埋めた。しかし、このパテはFRP加工後に白く目立ち結果的には失敗だった。
 5月5日 午前9時〜11時30分まで2.5時間、#20のディスクグラインダ−でサンディング作業。
          本ステップの作業時間は9.5時間
         ここまでの累計作業時間は94時間
          本ステップでの支払い金額小計200円
         ここまでの累計支払い金額小計147,248円
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ステップ
12
・内部FRP加工
 平成元年5月5日 午後0時30分〜6時まで正味3時間作業。
 先ずクロスを船体内側に合わせて切断する。中央の最も幅の広い所はクロスの幅では足りないので、前後の分で折り返して余った分を使用する。先端部はマットを張るが型板に合わせてカットし4枚用意する。
 次に一旦クロス及びマットを撤去し、内部をアセトンを浸けたウエスで全体的にクリ−ニングする。ポリ約600ccにパ−メック8ccを入れて撹拌してからアセトンで20%程度希釈したものをシ−ラ−として塗布する。1時間程度放置してアセトン分が飛んで表面が少しべたつく位になったら、再度クロスとマットを船体にセットする。
クロスがずり落ちないように選択バサミやマスキングテ−プなどで仮止めする。船体の幅を保持するためにセンタ−スオ−トの長さに合わせて最大幅部にストリップ材をガンタッカ−で固定する。
 一回目、ポリ1500ccにパ−メック15cc添加して塗布。二回目、ポリ1000ccにパ−メック10cc添加して塗布。三回目、ポリ300ccにパ−メック3cc添加して塗布。最後に一部気泡が残った部分の手直し用としてポリ200ccにパ−メック3cc添加して塗布した。ハルからはみ出した余分なクロス、マットは外側の時と同様にポリがロウ状に硬化した時点でカッタナイフで除去する。ポリが完全に乾いてしまうと硬くなりすぎて処理が大変になる。但し、シア−ライン端面の仕上は艤装後に行うのでここでは大雑把にカットすれば良い。
 5月10日から11日に掛けて正味2.5時間程ハル外面をオ−ビタルサンダでサンディングしたが、その際ハル内面のシア−ライン付近に気泡が残っている箇所を発見した。5月12日1.5時間、5月20日3時間、ハル内面のシア−ライン付近のサンディング作業を行う。
 5月21日午後1時〜2時30分まで1.5時間掛けてハル内面失敗箇所のFRP補修作業実施。ほぼ成功した。

          本ステップの作業時間は11.5時間
         ここまでの累計作業時間は105.5時間
          本ステップでの支払い金額0円
         ここまでの累計支払い金額小計147,248円
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ステップ

13

・艤装
 平成元年5月11日ハルにスタ−ン部デッキをステンレス木ネジで固定した。5月12日バウ部デッキを同じくステンレス木ネジで固定した。ハルにはネジ径より僅かに大きめのバカ孔を明け、デッキ材には少し小さめの孔を明けておいてからドライバ−で固定する。後々のメンテナンスを考えて接着剤は使用しない。


 私の場合は艤装部の塗装は全ての艤装が完了してからポリをアセトンで少し希釈したものを刷毛塗りしたが、ハルに固定される面は未処理である。使用時の水分浸透による木部の腐食を完全に予防するためには木部の固定面及びビス孔等も予め塗装しておいた方が良い。5月21日ステンレス木ネジ購入、3.1×20 60本 小計240円。

 このペ−ジの趣旨には特に関係ないが上記写真中のバイクに注目して欲しい。筆者が十代後半から三十代半ばまで所有していたホンダのCB250である。カヌ−とカヤックを作ってから置場所に困った事とメンテナンスが大変なため手放してしまったが、今にして思うと惜しかった。

 5月21日ハルに内ガンネルをステンレス木ネジで固定した。内ガンネルはハルセンターを確認しデッキ固定と同様の手順でセンタ−から前後に固定して行く。
 左右の内ガンネルを固定したらヨ−クとスオ−ト用の孔ををガンネルの鉛直方向にに明け真鍮製のボルト、ナットでヨ−クとスオ−トをガンネルに固定する。

 5月25日から28日に掛けて後部シ−トの取
付け作業に約6時間かけた。キットの指示では前後のシ−トの固定はクロスとポリによりハル内側へ二次接着する事になっていたが、筆者は各シ−トをそれぞれ4本の長ビスで内ガンネルから吊す方法を採用した。ビスむき出しでは殺伐としているので内ガンネル用材の余ったものにドリルで孔を明けて長さを揃え、ビスを通してガンネルからの距離を合わせた。ガンネルのシ−ト固定用ビスを支える部分は強度を確保するためクロスとポリでカバリングした。
5月26日FRP用ウ−ルロ−ラ−4”購入、小計474円。




 5月28日12時半から午後5時まで正味5時間かけて外ガンネルを取り付けた。長木ネジが足りなくなったので10本購入、小計150円。
同日、船体及び道具、機材等を自宅のガレ−ジに移動した。ガレ−ジに置いてあった父の車はカヌ−が完成するまで近所の路上に置くことにした。午後9時から10時まで、取り付けたガンネルからはみ出しているハルのエッジ部をオ−ビタルサンダでサンディングした。5月29日午前6時から7時半まで同様にエッジ部をサンディングした。

5月29日耐水ペ−パ−#240 2枚購入、
         小計165円


 センタ−スウォ−トに娘の名前のロゴを書き込んだ。ロゴデザインは友人の村上正君にお願いした。





市販のステンレス製Uボルトにフランジ(ステンレス製の板)を溶接して、ロ−プ固定用の金具を作った。加工は筆者の勤務先の現場の係長に頼み込んでやってもらった。









デッキに金具を取り付けた状態。






          本ステップの作業時間は18.5時間
         ここまでの累計作業時間は124時間
          本ステップでの支払い金額879円
         ここまでの累計支払い金額小計148,177円
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ステップ

14

・木部塗装仕上
 平成元年5月30日午前5時半から7時まで、及び午後9時から10時まで内・外ガンネル部で
ウレタン樹脂塗料で塗装した。
 6月1日午後10時から11時まで耐水ペ−パ−#100にてハル外面サンディング。ハル表面未硬化部が多く、FRP処理不良箇所も一部見受けられたので後日(進水式終了後)最終仕上げをする事にした。
 6月2日午前6時から7時まで耐水ペ−パ−#100にてハル外面サンディング、シ−ト及び外ガンネル下側塗装(パドルも塗った)。同日午後7時から9時半まで、及び午後10時半から11時半までシ−ト取り付け。

6月1日耐水ペ−パ−#100、#150、#180、#240 各1枚購入、70mm幅ニスバケ 1個購入 小計649円

6月3日ステンレス製Uボルト2個購入 小計278円
          本ステップの作業時間は8時間
         ここまでの累計作業時間は132時間
          本ステップでの支払い金額649円
         ここまでの累計支払い金額小計149,104円
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ステップ
15
・進水式及びお披露目





















進水式の招待状
 進水式に漕ぎ着けるまで,実に多くの人に協力してもらった。
これらの人々の労に感謝し、又カヌ−作りの一つの区切りとするため進水式とカヌ−披露を兼ねた焼肉パ−ティを企画した。

平成元年6月3日カヌ−がほぼ完成したので会社の同僚、友人等を招待して進水式と焼肉パ−ティを開催した。
 進水式は筆者自宅から約500メ−トル程上流の気仙沼市の上水道の取水口付近の河原で挙行した。共同製作者であり元遠洋マグロ船の船長でもある義父の指導により船体を清酒で清めてからカヌ−を川に浮べた。
最初はおっかなびっくりの状態だったが、乗っているうちに思いの他、安定性があるのが解って、参加した皆さんに交代で乗船してもらった。水に浮かんだカヌ−は水面に木目が映えて仲々美しいものだった。左の写真は自分の作った船に見惚れる義父(故人)。
 進水式の後、会場を筆者自宅前の河原に移し、参加者全員で焼肉パ−ティを開催した。右写真中央がほろ酔い加減の筆者。
 この後義父と二人で河口に向けて漕ぎ出したのだが、段々船の操作に慣れるに従い調子に乗って二人で同じ舷側に深くパドルを入れすぎた拍子に転覆してしまった。進水式の日に発の「沈(チン)」を経験した訳である。

進水式及び焼肉パ−ティ費用
紙コップ、紙皿、割箸等 小計628円
ツマミ代        小計986円
肉代          小計3,000円
炭代          小計1,250円
ビ−ル代        小計1,900円
          本ステップの作業時間は8時間
         ここまでの累計作業時間は132時間
          本ステップでの支払い金額7,764円
         ここまでの累計支払い金額小計156,868円
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ステップ
16

・最終仕上げ
 平成元年6月6日朝1時間、ハル外面サンディング及びパテ付け。
6月7日朝1時間半、ハル外面サンディング及びスオ−ト・ヨ−ク塗装後取付。
6月8日夜1時間、補修箇所サンディング。
6月11日午前10時から12時まで2時間、FRP補修(約3回塗り)。
   進水式の時できたキズ補修一ヶ所、カバリング不良補修2ヶ所、
   シ−ト用吊りボルト位置の補強4ヶ所。
6月15日1時間、シ−ト取付け。
6月16日0.5時間、シ−ト用吊りボルト加工、シ−ト取付け。
6月21日1時間、左舷側ハルのサンディング。#80のディスクで手作業後、
耐水ペ−パ−#120と石鹸水で研磨。
6月22日1時間、船底のサンディング。#30のディスクで表面を荒らした後、
耐水ペ −パ−#120で研磨。
6月23日約1時間、サンディング作業後、夕方から更に約1時間FRP作業。
一回目、ポリ800ccにパ−メック10cc添加して塗布。
二回目、ポリ200ccにパ−メック3cc添加して塗布。
6月28日から29日にかけて約2時間で船台を加工。車庫の柱にパレットの
廃材で作った船台をロ−プと針金で固定した。

6月19日耐水ペ−パ−#120 5枚購入 小計300円
6月22日建築用吊り金具4個購入  小計900円
車庫の天井からカヌ−を吊り下げるつもりでこの金具を買ったが、
会社から貰ったパレットの廃材で船台を作ったので結局使用しな
かった。

         本ステップの作業時間は12時間
         ここまでの累計作業時間は144時間
          本ステップでの支払い金額1,200円
         ここまでの累計支払い金額小計150,304円
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カヌ−自作講座1