昭和63年8月から平成元年6月にかけて取り組んだカナディアンカヌ−の製作過程を時系
列と費用出費の経過と合わせてでまとめて見ました。
調度気温の下がる12月に実施したFRP加工に失敗し、キット提供者の渋谷氏のアドバイ
スにより翌年の春まで作業を中断したため足掛け10ケ月及ぶ作業となってしまいました。
私の試行錯誤の結果がこれからカヌ−の自作にトライしようと考えている方に少しでも
参考になれば幸いです。
ステップ1 カヌ−製作の意志決定(製作場所、協力者の確保)
ステップ2 カナディアンカヌ−自作キットの手配
ステップ3 使用工具及び資材購入
ステップ4 船台の組立
ステップ5 ボトム部ストリップ材張り付け
ステップ6 フットボ−ルライン加工
ステップ7 サイド、チップ部ストリップ材張り付け
ステップ8 シア−ライン加工
ステップ9 外部サンディング、パテ作業
ステップ10 外部FRP加工
ステップ11 船台取り外し及び内部サンディング
ステップ12 内部FRP加工
ステップ13 艤装
ステップ14 木部塗装仕上
ステップ15 進水式及びお披露目
ステップ16 最終仕上げ
| ステップ1 | ・カヌ−製作の意志決定(製作場所、協力者の確保) 昭和63年(1988年)3月、小学館発行のアウトドア総合情報誌『BE-PAL』4月号にカナディアンカヌ−の自作に関する特集が掲載される。 ![]() 故郷の気仙沼にUタ−ンしてから3年目、子供の頃からの夢の一つである自分の船を持つチャンスを狙っていた矢先だったので渡りに船と、同カヌ−自作キットの購入を決意した。 自作開始に当たり義父(妻の父)に協力を依頼した。当時義父は長年の船員生活からリタイヤしたばかりで、比較的時間的余裕があり元々大工仕事が好きで電動工具等もけっこう所有していた。 義父が快く協力を承諾してくれ義父宅のガレ−ジを作業場として借りられることになった。 義父は、実に心強い協力者であったが、結果から言えば最初からFRP加工の経験のある協力者がいれば必要以上に時間を掛けなくて済んだと思われる。身の廻りに該当する人が見つからない場合は、FRP加工に関する書籍に一度は目を通しておくことを勧める。 推薦書籍はこちらを参照のこと。 このぺ−ジの目次へ |
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| ステップ2 |
・カナディアンカヌ−自作キットの手配 昭和63年(1988年)8月30日カナデアンカヌ−自作キット(冒険王ツ−リング全長4.8m)を電話で注文する。 |
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・使用工具及び資材購入 昭和63年9月15日(木)購入 ウッドストリップ方式(型材に細い帯状に木材を何枚も張り付けて船体を形作っていく造船工法)でカナディアンカヌ−を製作する上で新たに購入した工具及び資材は次の通りである。但し、購入価格は昭和63年(1988年)当時の金額である。 1)ガンタッカ−(メ−カ−、型式;マックスTG-A) 5,500円 ストリップ材をフォ−ム(型板)に固定するための工具。ホッチキスの大きい奴と 思えば良い。 2)スッテプル (T3-13MBマックス)単価150円×3箱=450円 ガンタッカ−の針、肩幅12mm×高さ13mm 3)木工ボンド 500g入り単価410円×3ケ=1,230円 4)ガムテ−プ 398円 マスキング及び材料仮留め用等。 5)サンディングホルダ− 620円 手動で船体のヤスリ掛けするための工具 6)同上用替えペ−パ− 荒目 575円 7)P.P.シ−ト 3.6m×5.4m 2,280円 屋内作業時の床敷き、屋外での仮テント、FRP作業時の保温用囲い等用途は非常 に広い。 8)スクレ−パ− ステンレス製 220円 はみ出た接着剤を拭ったり、凹部のパテ埋め及びFRP加工する際の脱泡等に使用。 9)同上 プラスチック製 170円 本ステップでの支払い金額小計11,443円 ここまでの累計支払い金額小計132,243円 資材購入に要した時間は1時間。 このぺ−ジの目次へ |
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・船台の組立 昭和63年9月15日(木)作業着手 ストリップ材を張り付けて船体を形造る ![]() ためのモ−ルドを兼ねた船台を組み立てる。 ストロングバックの所定の位置にフォ−ムとステムを固定する。澁谷氏のキットでは合板製のストロングバックにボルトナットでステム、フォ−ムを予め印刷された記号同士を合わせるように固定するだけなので2時間30分程度で完了した。 その後の作業は組み立てた船台を空のビ−ルケ−スの上に載せて行った。立ち作業には調度良い高さである。 このぺ−ジの目次へ |
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・ボトム部ストリップ材張り付け 昭和63年9月15日(木)作業着手、9月16日完了 組み立てた船台の各ステム及びフォ−ムのストリップ材を固定するエッジ部にマスキングをする。特にバウ、スタ−ンのステムのエッジ部には多くの接着剤がはみ出してしまうので、マスキングテ−プやガムテ−プで十分処置する必要がある。因みに私の場合は船台を取り外す際に可なりの力技を要した。 まずボトムのセンタ−部に一本のストリップ材を置きガンタッカ−でステムとフォ−ムに固定する。固定したストリップ材の両サイドに接着剤(木工ボンド)を塗り次のストリップ材をすき間が開かない様に注意しながら船台に固定して行く。接着剤ははみ出すことを余り気にせずたっぷり塗って行く。同じ手順で左右交互に固定して行き予め型材にマ−キングしておいたフットボ−ルラインが完全に隠れるまで続ける。このステップの作業時間は約7時間、ここまでの累積作業時間は10時間30分。 このぺ−ジの目次へ |
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・フットボ−ルライン加工 昭和63年9月23日(金)作業着手完了 本日の購入部材 |
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・サイド、チップ部ストリップ材張り付け ![]() ![]() このぺ−ジの目次へ |
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・シア−ライン加工 昭和63年11月13日作業着手、同日完了 ![]() 接着剤が完全に乾いてからストリップ材を固定していたステップルや釘を全て抜く。まずシア−ラインを自分のイメ−ジに合わせてハル(船体)側面に鉛筆でけがき、ジグソ−と胴付き鋸で切り出す。切断面がハルに対して直角になるようにキワカンナ等で仕上る。 次にハルを再度上下逆にしてバウ、スタ−ンの組み手部の余分な材を鋸で切断してからカンナで仕上げる。 シア−ライン及びバウ、スタ−ンの切断仕上げの前にはステップルや釘等の抜き忘れや途中で折れたものがハルに残っていないか十分にチェックすること。ものこれらが残った間まで作業するとカンナや鋸の刃がたちまちお釈迦になる。 本ステップの作業時間は3時間 ここまでの累計作業時間は37時間30分。 このぺ−ジの目次へ |
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・外部サンディング、パテ作業 昭和63年11月18日作業着手、12月4日完了 外部サンディング作業を開始する前にカンナで大きく出っ張った部分のみを削る。 ディスクグラインダ−に#20のディスクをセットしハル外部全体の凹凸をサンディングする。目と手でハル表面の出っ張りを確認しながら、ストリップ材の長手方向に沿って軽くなめるように左から右へ50〜60cmゆっくり移動しながら作業するのがコツ。しかし、余りゆっくり移動しすぎると、木工ボンドが溶けてディスクに絡んで却って作業性が低下する。全体をサンディングした後、このサンディングダストと木工ボンドを混ぜたパテを作りストリップ材張り付け作業時に生じたすき間を埋める。埋めたパテが完全に乾いてから#60又は#80のディスクをグラインダ−にセットし、再度全体を仕上げる。 パテを作る際、ダストに含まれるディスクから脱落した研磨粒を分離してやらないとパテ埋めした部分が黒くなってしまうので注意を有する。分離は白い紙の上にダストを載せて揺すってやると比較的簡単にできる。 本ステップの作業時間は24時間 ここまでの累計作業時間は61時間30分。 12月3日FRP加工に着手する前に船体を義父邸のガレ−ジから高校時代からの友人で妻の従兄の倉庫に移動した。 このぺ−ジの目次へ |
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・外部FRP加工 12月5日朝ハル表面に触ってみるとポリは未硬化で一部ゲル状のままだった。夕方にはやや改善された(硬化した)が、日影部は相変わらずゲル状だった。地元の専門家に相談したところ、パ−メックを入れてからの撹拌が不十分、作業場所の温度が低すぎる、硬化促進用ワックスが不足である旨の指摘があった。
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・船台取り外し及び内部サンディング 平成元年4月29日 午後2時30分〜6時まで正味3時間作業。 船体を正立にしてからまずフォ−ム(横型)を外す。ストロングバックにフォ−ムを固定していたボルトを外して型を船体の広い方にずらしてやると簡単に外れる。ストリップ材からはみ出した接着剤で型が外れにくい時はフォ−ムを木ハンマ−などで軽く叩いてやると外れる。中央部のフォ−ムはストロングバックを取り外してから最後に外す。 次にバウ、スタ−ン部のステムを固定しているボルトを外してステムを船の中央方向に引っ張るようにして取り外す。私の場合はステム部内側に多量の接着剤がはみ出しマスキング部以外の所で船体とフォ−ムが固着して仲々外れなかった。しかたないのでストロングバックを外してからカッターナイフやハンマ−を用いて力尽くで外した。内部サンディングの前に接着剤が極端に はみ出して盛り上がっている部分をカッタ−ナイフやスクレ−パ−、豆カンナ等で除去する。 内側のサンディングは外側と同様にディスクグラインダ−に#20のディスクを着けて作業する。凹面を削ることになるのでディスクを少し強めに船体に押し当てディスクをしならせながら作業する。 5月4日 午前9時〜午後1時30分まで正味4時間作業。#20のディスクグラインダ−で内側サンディング。バウ、スタ−ン部は手ノミで凸部を削ってから木片にサンドペ−パ−を巻いて手作業でサンディングした。サンディング後、購入しておいた木工パテ(商品名 ウッドパテ、単価200円)ですき間を埋めた。しかし、このパテはFRP加工後に白く目立ち結果的には失敗だった。 5月5日 午前9時〜11時30分まで2.5時間、#20のディスクグラインダ−でサンディング作業。 本ステップの作業時間は9.5時間 ここまでの累計作業時間は94時間 本ステップでの支払い金額小計200円 ここまでの累計支払い金額小計147,248円 このぺ−ジの目次へ |
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・内部FRP加工 平成元年5月5日 午後0時30分〜6時まで正味3時間作業。 先ずクロスを船体内側に合わせて切断する。中央の最も幅の広い所はクロスの幅では足りないので、前後の分で折り返して余った分を使用する。先端部はマットを張るが型板に合わせてカットし4枚用意する。 次に一旦クロス及びマットを撤去し、内部をアセトンを浸けたウエスで全体的にクリ−ニングする。ポリ約600ccにパ−メック8ccを入れて撹拌してからアセトンで20%程度希釈したものをシ−ラ−として塗布する。1時間程度放置してアセトン分が飛んで表面が少しべたつく位になったら、再度クロスとマットを船体にセットする。 クロスがずり落ちないように選択バサミやマスキングテ−プなどで仮止めする。船体の幅を保持するためにセンタ−スオ−トの長さに合わせて最大幅部にストリップ材をガンタッカ−で固定する。 一回目、ポリ1500ccにパ−メック15cc添加して塗布。二回目、ポリ1000ccにパ−メック10cc添加して塗布。三回目、ポリ300ccにパ−メック3cc添加して塗布。最後に一部気泡が残った部分の手直し用としてポリ200ccにパ−メック3cc添加して塗布した。ハルからはみ出した余分なクロス、マットは外側の時と同様にポリがロウ状に硬化した時点でカッタナイフで除去する。ポリが完全に乾いてしまうと硬くなりすぎて処理が大変になる。但し、シア−ライン端面の仕上は艤装後に行うのでここでは大雑把にカットすれば良い。 5月10日から11日に掛けて正味2.5時間程ハル外面をオ−ビタルサンダでサンディングしたが、その際ハル内面のシア−ライン付近に気泡が残っている箇所を発見した。5月12日1.5時間、5月20日3時間、ハル内面のシア−ライン付近のサンディング作業を行う。 5月21日午後1時〜2時30分まで1.5時間掛けてハル内面失敗箇所のFRP補修作業実施。ほぼ成功した。 本ステップの作業時間は11.5時間 ここまでの累計作業時間は105.5時間 本ステップでの支払い金額0円 ここまでの累計支払い金額小計147,248円 このぺ−ジの目次へ |
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13 |
・艤装 5月29日耐水ペ−パ−#240 2枚購入、
本ステップの作業時間は18.5時間 ここまでの累計作業時間は124時間 本ステップでの支払い金額879円 ここまでの累計支払い金額小計148,177円 このぺ−ジの目次へ |
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| ステップ
14 |
・木部塗装仕上 6月3日ステンレス製Uボルト2個購入 小計278円 |
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・進水式及びお披露目![]() |
進水式の招待状 進水式に漕ぎ着けるまで,実に多くの人に協力してもらった。 これらの人々の労に感謝し、又カヌ−作りの一つの区切りとするため進水式とカヌ−披露を兼ねた焼肉パ−ティを企画した。 平成元年6月3日カヌ−がほぼ完成したので会社の同僚、友人等を招待して進水式と焼肉パ−ティを開催した。 進水式は筆者自宅から約500メ−トル程上流の気仙沼市の上水道の取水口付近の河原で挙行した。共同製作者であり元遠洋マグロ船の船長でもある義父の指導により船体を清酒で清めてからカヌ−を川に浮べた。 ![]() |
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最初はおっかなびっくりの状態だったが、乗っているうちに思いの他、安定性があるのが解って、参加した皆さんに交代で乗船してもらった。水に浮かんだカヌ−は水面に木目が映えて仲々美しいものだった。左の写真は自分の作った船に見惚れる義父(故人)。 |
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| 進水式の後、会場を筆者自宅前の河原に移し、参加者全員で焼肉パ−ティを開催した。右写真中央がほろ酔い加減の筆者。 | ![]() |
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| この後義父と二人で河口に向けて漕ぎ出したのだが、段々船の操作に慣れるに従い調子に乗って二人で同じ舷側に深くパドルを入れすぎた拍子に転覆してしまった。進水式の日に発の「沈(チン)」を経験した訳である。 進水式及び焼肉パ−ティ費用 紙コップ、紙皿、割箸等 小計628円 ツマミ代 小計986円 肉代 小計3,000円 炭代 小計1,250円 ビ−ル代 小計1,900円 本ステップの作業時間は8時間 ここまでの累計作業時間は132時間 本ステップでの支払い金額7,764円 ここまでの累計支払い金額小計156,868円 このぺ−ジの目次へ |
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・最終仕上げ 本ステップの作業時間は12時間 |
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